Second Three-Year Plan / 第二次三カ年計画(2024-2026) Tatekawa Kiyoshiro film collection 55

Artist statement

「自然」とは何か?自然な状態と言えば何もしない状態のことだが、何もしないとは?映像制作においてはどういうことだろうか?コンセプトをたてない、映像に加工をしない、音響を追加しない、そもそも編集を行なわない等、色々と考えられるが、何もしないこと=自然な映像となるだろうか?Wikipediaに「Natureとは、その存在に固有の性質をあらわす」とある。ならば映像本来が備えている固有の性質、それを引き出す編集こそが自然の映像となるのではないか。では映像の固有の性質とは何か?映像は世界の極小の一部であり、不確定要素が多く含まれている。それは作家の意図によって変更可能な状況にあり、とても曖昧である。この曖昧さが、プロパガンダに利用されやすい。しかし、プロパガンダ映像をわたしは自然な映像と呼べない。なぜか?それは映像本来の不確定要素を確定させるからである。不確定要素を不確定要素として提示するのが自然な映像であり、それが映像における固有の性質である。昨今、プロパガンダ映像があふれ映像本来の不確定要素を敬遠する向きが多くみられるが、わからないものをわからないものとして提示するのが自然の映像であり、映像を作家の意図の説明に使うなどわたしには到底出来ない。映像は自然に還るべきである。

上映作品(5作品44分34秒)

Part 302 水景Ⅳ / 9分06秒 / 2025

定点観測される映像、固定カメラで撮影した画像を編集。
視覚変化と音響を体感する作品。

Part 303 散光 / 7分17秒 / 2025

変化する表層の動きと時間の推移、固定カメラで撮影した映像を低速で再生。
変容する視覚変化を体感する作品。

Part 304 喪画Ⅲ / 8分06秒 / 2025

徐々に変化を繰り返す表層の動き、動画から静止画が溶解する過程を編集。
変容する視覚変化を体感する作品。

Part 305 視覗Ⅲ / 8分05秒 / 2025

停止した視野と時間の推移、固定カメラで撮影した映像によるドキュメンタリー。
表層と音響を体感する作品。

Part 306 変容 / 11分05秒 / 2025

変化する表層の動きと時間の推移、固定カメラで氷→水→湯へと変化する過程を撮影。
変容する視覚変化を体感する作品。

Tatekawa Kiyoshiro film collection Archive

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