
Artist statement
「時間」の特徴は変化と繰り返しであるという。映像が時間芸術たるゆえんだ。一般的に変化をともわない写真は時間芸術と言わない。ならば写真に変化を与えれば「時間」が発生するのだろうか?なるほど、写真を順番に並べて写真集とすれば、そこに「時間」が発生する。しかし1枚の写真を観ることでも「時間」は発生する。それは鑑賞者の精神が写真により変化するからだ。良い写真は永く鑑賞者を惹き付ける魅力に溢れている。様々な情報がフレーム内から絶え間なく発信され精神に訴えかけてくる。これは映像においても同様であろう。このように映像と写真、境界は極めて曖昧であり、時間芸術と空間芸術と分けて考えるのでなく、境界を外し交互に混ざり合う関係が望ましい。時に映像が写真的になったり、写真が映像的になったり、この混沌とした構造から新たな時間が流れだす。世界に境界はなく、境界は意識によって定められる。ならば境界を外すのも意識である。
上映作品(5作品40分37秒)
Part 292 水景Ⅲ / 9分06秒 / 2025

定点観測される映像、固定カメラで撮影した画像を編集。
視覚変化と音響を体感する作品。
Part 293 揺減 / 5分06秒 / 2025

分割される映像、手持カメラで撮影した画像をブレ補正機能にて編集。
補正前と補正後を体感する作品。
Part 294 拍循 / 5分03秒 / 2025

被写体と時間の推移、固定カメラで撮影した画像に音響を追加。
表層と音響を体感する作品。
Part 295 準環 / 8分36秒 / 2025

複数の映像によるモンタージュ、コンパクトデジタルカメラで撮影した写真と動画を編集。
視覚変化と音響変化を体感する作品。
Part 296 彩画 / 11分53秒 / 2025

変化する表層の動き、ドリップペイントする写真と固定カメラで撮影した動画を編集。
変容する視覚変化を体感する作品。
Tatekawa Kiyoshiro film collection Archive
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53