Second Three-Year Plan / 第二次三カ年計画(2024-2026) Tatekawa Kiyoshiro film collection 48

Artist statement

「主観と客観が一致すれば空(くう)になるという。ところが、二つのベクトルは互いに向きが反対で、しかも相等しく、一直線上にあるとき0になる。空はこの0である。」(意味の変容:森敦著より)。ならば主観か客観を0にすれば、それが空となるのだろうか。主観を0にする行為とは何なのだろう。作品において、いかに主観を消し去ろうとしても撮影場所、被写体、機材、編集…制作行為そのものが主観に満ちている。つまり主観を棄てることは制作そのものを棄てることになってしまう。しかるに主観を棄てずに客観と一致させることが出来れば良いのであるが、これもまた困難である。一部の一致は可能であろうが、空のための完全一致は不可能ではないか。客観は他人の主観であるがゆえこれを完全に理解することは本人以外に出来ない。人は主観なしで生きられないし客観を理解することも難しい。それでは作品における空とは何であろうか。制作は続く。

上映作品(5作品42分23秒)

Part 265 水景 / 9分06秒 / 2024

定点観測される映像、固定カメラで撮影した画像を編集。
視覚変化と音響を体感する作品。

Part 266 動間 / 7分36秒 / 2024

残像とともに変化する映像、固定カメラで撮影した画像を時間差のレイヤーとして低速再生し編集。
変容する視覚変化と音響を体感する作品。

Part 267 変差Ⅹ / 8分05秒 / 2024

時間差で分割される表層、固定カメラで撮影した画像の時間をずらし格子状に編集。
視覚変化と音響を体感する作品。

Part 268 後音 / 6分06秒 / 2024

定点観測される映像と音、固定カメラで撮影された映像をカラーとモノクロに分割、動物園に野球場の音響を追加。
異なる空間の映像と音響を体感する作品。

Part 269 現画 / 10分36秒 / 2024

変化する表層の動き、写真が分解する過程の撮影および固定カメラで撮影した動画の再生速度・解像度を編集。
変容する視覚変化を体感する作品。

Tatekawa Kiyoshiro film collection Archive

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