Second Three-Year Plan / 第二次三カ年計画（2024-2026） Tatekawa Kiyoshiro film collection 43

Artist statement

多くの人にとって音楽にコンセプトは、それほど必要とされていないよう感じる。大衆はコンセプトより音・リズムの快楽というか思考より感覚を優先した快楽主義が蔓延している。この状況ではむしろコンセプトは排除される。しかし現代美術は真逆で快楽よりコンセプトなき作品は排除される。「コンセプトなき者、作品作るべからず」である。このような状況下で感覚より思考を優先した作品が増殖してゆく。

わたしの作品にコンセプトはない。「コンセプトを設けずいかに作品を制作するか」を課題とし「第一次三カ年計画」はスタートした。具体的な月間制作数のみを目標とし内容・時間は自由、物語・意味を排除し、ひたすらシステマチックに作品制作を続けること。これにおいて、作品＝コンセプトの呪縛から解放されると考えた。しかし3年間終了してみると、逃れたはずのコンセプトが「第一次三カ年計画」として立ち上がっていた。「自他作品の類似性を問わない月5本の生産と公開」とは他人から見れば立派なコンセプトであり200作品の生産において無意識のうちにコンセプトが完成していたのだ。

こうして本年より「第二次三カ年計画」は生産・公開に新たなコンセプト、流通・消費を加え展開している。しかしコンセプトあれど思考より感覚の優先する作品制作は変わらない。