Second Three-Year Plan / 第二次三カ年計画(2024-2026) Tatekawa Kiyoshiro film collection 51

Artist statement

日本製の世界地図とイギリス製の世界地図を見比べると世界観の違いに気づくだろう。地図の中心がそれぞれの国ということは世界の見え方がまるで変るのだ。普段見ている風景も中心つまり主観をどこに置くかでまるで違う景色となる。物質としての風景はひとつだが、ヒトの精神においてそれぞれの数だけ風景は存在する。映像もしかり、ひとつの作品に対して鑑賞者の数だけ作品は存在すると言えるだろう。また再鑑賞の度に主観を変えていけばその数はさらに増える。この再鑑賞に堪ええる映像こそ風景と同価とになり、ひとつの理想的な映像のカタチとなる。これを目指すことが作家活動であり、映像はより強度を高めなければならない。では映像の強度を高めるにはどうするか?ひとつに作家の主観を隠すことと考える。日本製の世界地図において日本を中心からズラすのだ。日本の存在を隠すことで世界の見え方を拡大する。しかし作家の主観とは作品すべてに刻印されてしまっているので隠すことは容易ではない。その試行錯誤の結果が数々の作品である。この中に作品としての風景を観ていただけたら本望である。

上映作品(5作品41分15秒)

Part 282 望景 / 9分05秒 / 2025

景色と時間の推移、固定カメラで撮影した画像に音響を追加。
表層と音響を体感する作品。

Part 283 変差XIII / 7分36秒 / 2025

時間差で分割される表層、固定カメラで撮影した画像の時間をずらし線状レイヤーとして横に多重化する。
視覚変化と音響を体感する作品。

Part 284 視覗Ⅱ / 10分06秒 / 2025

停止した視野と時間の推移、固定カメラで撮影した映像によるドキュメンタリー。
表層と音響を体感する作品。

Part 285 現画Ⅱ / 7分30秒 / 2025

変化する表層の動き、写真が分解する過程の撮影および固定カメラで撮影した動画を編集。
変容する視覚変化を体感する作品。

Part 286 音景 / 6分06秒 / 2025

一定速度でゆっくりと移動するフレーム、固定カメラで撮影した画像をズームアウトさせる。
視覚変化と音響を体感する作品。

Tatekawa Kiyoshiro film collection Archive

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