Second Three-Year Plan / 第二次三カ年計画(2024-2026) Tatekawa Kiyoshiro film collection 41

Artist statement

なぜ?映像に意味を求めるのであろう。それは世界を理解したいという好奇心からの根源的欲求か。全ての世界に対する意味づけという解答、これが人間の歴史、科学の進歩かも知れない。しかし苦労してひとつの事象を意味づけてもそこに新たな事象が発見される、このサイクルは終わらない。永遠に人は世界を理解出来ないだろう。しかし人は理解出来ない事象を不安に感じる。それを恐れる。意識あるところに不安は発生する。いや無意識にこそ発生しているのかも知れない。不安からの逃避こそ、本能の破壊された人間の生きる指針となっている。故に理解出来ない映像は不安を喚起しそこに人は意味を探すのである。

実験映像の多くはこれに当てはまる。だから必然的に能動的鑑賞となる。しかしここで発見する意味は個々に違う。意識は個々それぞれだからだ。しかも意識は絶えず変化する。同じ映像でも1年前に観た映像と今日観た映像がまるで違った作品に感じることはよくある。わたしの考える実験映像は多くの人に共通の意味を伝えない。映像の自立同様、意味も自立させねばならない。それは世界同様、常に解放されなくてはならない。ひとつの作品から鑑賞者が共通の一致した意味しか見いだせなかったら、それはプロパガンダとなり、わたしの考える実験映像としては失敗である。

上映作品(6作品42分37秒)

Part 224 鏡面Ⅳ / 5分33秒 / 2024

一定速度でゆっくりと移動するフレーム、固定カメラで撮影した画像を鏡面化し縦移動させる。
視覚変化と被写体の質感を体感する作品。

Part 225 点流 / 8分6秒 / 2024

複数の映像によるモンタージュ、固定カメラで撮影した画像を編集する。
視覚変化と音響を体感する作品。

Part 226 反割 / 5分22秒 / 2024

変化を繰り返す表層の動き、固定カメラで撮影した画像に加工編集を行いアニメーション化、分割する。
変容する視覚変化を体感する作品。

Part 227 侵景 / 7分6秒 / 2024

被写体と時間の推移、固定カメラで撮影した画像に音響を追加。
表層と音響を体感する作品。

Part 228 離動Ⅲ / 6分26秒 / 2024

変化を繰り返す表層の動き、3Dレンズで撮影した連続写真を再構成する。
変容する視覚変化とリズムを体感する作品。

Part 229 編景 / 9分5秒 / 2024

複数の映像によるモンタージュ、固定カメラで撮影した画像を編集する。
視覚変化と音響変化を体感する作品。

予告映像

Tatekawa Kiyoshiro film collection Archive

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41