映像インスタレーション展『彼(私)から見える世界』

日時:2022年4月15日(金曜日) ~17日(日曜日)13:00~20:00 *15日のみ17:00より

会場:イメージフォーラム3F「寺山修司」
   東京都渋谷区渋谷2-10-2

イメージフォーラム・シネマテークHP

協力:キヤノン株式会社、株式会社ダゲレオ出版

Artist statement

昨年12月、北千住 BUoYで
自閉スペクトラム症を抱える子どもと母親のネグレクト(育児放棄)を描く松村翔子の未発表の新作戯曲より、主人公の子ども・実(みのり)から見える世界と家族にフォーカスしたモメラス実験公演『彼(私)から見える世界』が行われた。

今回、イメージフォーラム・シネマテークでは『彼(私)から見える世界』を新たに映像インスタレーション作品として展示する。当初、実験公演の記録映像による上映を試みたが、演劇を映像で再現することは不可能と判断し、映像ならではの空間表現としてインスタレーション展示を選択した。複数のプロジェクターによるイメージのレイヤーで包まれた空間は、通常スクリーンでは体感出来ないこの場限りの空間を現出させるだろう。

他に制作において参考にした松村翔子氏の演出プロット、露木友子氏のレクチャー映像も関連作品として展示する。演出プロットは、いわば演劇の設計図のようなもので、ここから映像の断片を組み上げていった。「流れる水」「木々の葉」「数字の溢れてくる映像」などのキーワードから実験公演の映像パートを撮影・作成した。レクチャー映像は実験公演中に上映し、登場人物と観客が発達障がいについて勉強する演出となっていた。子供たちの感覚の捉え方の話は主人公の見える世界を映像化するヒントとなった。

演劇とのコラボレーションは、個人作家の私が初めて共同制作を行う経験となり、
作家・俳優・スタッフとの出会いは、私にたくさんの知識と刺激とインスピレーションを与えてくれた。そこには私だけでは見えない世界、彼から見える世界があった。彼から見える世界を想うことは、私の見える世界を広げる。彼を理解することで自分を理解する。世界とイマジネーションは広大である。

記録写真

記録映像

予告映像