写真新世紀展2019

会場:東京都写真美術館(東京)

出品作品:「15minutes」

会期:2019年10月19日(土)-11月17日(日)

Artist statement

何も起きていないようであり、何がが起きているようでもある。ここに物語・プロパカンダはなく、カメラにより抜粋された物質と時間があるのみです。これは、一方的な言語の誘導やイメージ操作の呪縛から解放された映像です。これは、映像を感覚的に受け止め、受動的・能動的思考を喚起することを提示する15分間です。

審査評 選: 安村 崇

檻に向けられたカメラの超低速度のティルトダウンは、鈍い緊張感を伴った退屈を助長するだけではありません。風が吹いて木の葉が揺れ、フレームと戯れるように鳥が画面の内外を行き来し、なにかが飛行しているような音も響いています。いくつかの時間が重層的に重なることで、とりたてて何も起こらない光景を映像として立ち上がらせます。この映像は退屈の向こう側へと至るための通路なのかもしれません。

Ⅿovie

Book

この映像は、1秒30コマで撮影しています。15分間で合計27000コマ、つまり27000枚の写真が順番に切り替わり映像は動いているのです。映像の構造を可視化するため3秒ごとに1コマ抜き取り300ページの写真集を制作しました。すべてのコマで写真集を制作すると90冊になります。